お客様の悩み
築10年以上経過のスイス漆喰カルクウォールの物件となります。日当たりの悪い面から黒カビ等が一面に発生しお客様は長年美観や、健康面の心配に悩まれていました。また黒カビの多い部分からカルクウォールが剥離したりと、機能面でも影響が出ており、将来の心配を感じていたそうです。
外壁調査の結果
黒カビの原因1 | 1.日当たりが悪い |
黒カビの原因2 | 2.漆喰の規定未満の厚みの施工(薄付) |
解決記録
黒カビの発生を阻止する為には、一度黒カビの菌を除菌する必要があります。その為にSKKカビ除去剤#5(塩素)を持ち入り、黒カビが発生している部分だけではなく全面に除菌作業を行いました。
通常5〜10倍に薄めて使用しますが、今回は5倍の濃度で使用しています。
全面にブラシや、ローラーで除菌材を塗布し、菌を死滅しています。更に4時間後に高圧洗浄で処理を行い、より白さが戻る部分まで壁を磨き上げました。
黒カビの除去後、本来アルコール系の抗菌処理を行う事が理想ではありますが、カルクウォールは従来の漆喰材とは違い、アルカリ性が非常に高い性質となっています。
その為メーカーと相談をし、今回はアルコール系の抗菌剤の使用は避けるようにしました。
今回は、お客様のご要望により、カルクウォールの性質や自然性能をそのまま維持したいとの意見と、カビの発生原因である日当たりの悪い事を考え、従来のメンテナンス品カルクファルべ、カルクウォールの使用はさけ、樹脂が通常よりも多い#H800(カルクウォール専用の材料)で表面のコーティングを行なっています。ここで注意すべき点は、カルクウォールやカルクファルべを用いた施工をしてはいけない事。
この2つの商品は、調湿性に優れているものの、日当たりの悪い面ではこの性能が仇となり、再度黒カビが発生する原因を作るだけとなります。また、#H800は通常40m2に1缶を基準に施工を行いますが、今回は漆喰の厚みが薄付になっている事を考え、20m2に1缶を使い、壁に厚みを付けて施工を行うようにしています。厚みを付ける事で、壁の補強にも繋がり、今回の問題点の解決へと繋がる可能性があると考えました。
悩み解決
今回は、工事後の黒カビの発生を自然塗料を用いて処理を行なった例となります。
自然塗料のメリットを取り入れ、デメリットを緩和しました。黒カビの発生を完全に阻止したい場合は、一般住宅に用いる樹脂塗料を選ぶ事が一番ですが、その場合、自然素材の良さは失われてしまいます。素材の良さとのバランスを考えた対策に、今後ご注目ください。
カルクウォールの外壁汚れで
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