“五色”から紐解く色に託された想いpart3

前回までに五色の中の「青・赤・黄」をお話ししました。今回は、残りの二色についてお話ししようと思います。

・「白」
白は五行において「金」を司ります。土中に光り輝く鉱物・金属が元となっていて、金属のように冷徹・堅固・確実な性質を表します。鉱物・金属の輝きは基本的に全て「反射」です。恒星である太陽とは違い「熱」を持つことがないため、反射光を表す白は冷たいイメージを持ちます。
日本において白は「神の色」という位置づけです。日本最古の歴史書である「古事記」には、神が白い鹿・猪に化し、倭建命(ヤマトタケル)が死後白鳥になったとあります。日本では古来から白を尊い色として崇めてきた歴史があるのです。
五徳の中では「義」を司り、「義務や決まりを守る」という意味を持ちます。
また季節としては「秋」を象徴します(収穫の秋)。

・「黒」
黒は五行において「水」を司ります。泉から涌き出て流れる水が元となっていて、これを命の泉と捉え、胎内と霊性を兼ね備える性質を表します。黒として捉えられたのは、水が暗く低いところに集まるところからだと言われています。
「水は青だろう」と思われる方は多いと思いますが、海の水が青いのは光の反射や屈折の複雑な要素が絡んでいますので、闇夜では海は真っ黒です。水の色すらも歴史を見ると全く解釈が異なるのです。
また黒は紫でも良いとされていますが、紫はローマ帝国皇帝がティルス紫で染めた礼服を使ったことから、高貴な身分の人しか身に付けられない「最上の色」とされました。その風習が中国、日本と伝わり、聖徳太子が「冠位十二階」で紫を最高位の色と決めたことから、日本でも最上の色として定着していきます。染料や色彩認識の関係で黒よりも紫を使うことが多かったようですが、正式には黒を用います。
五徳の中では「智」を司り、「学業の向上」という意味を持ちます。
また季節としては「冬」を象徴します。

いかがでしたでしょうか。
一色一色にもこれでもかというほど歴史や想いが詰まっているのです。
物が溢れている現代では「物の所有数」で満たされることはなくなっています。「一つの物にどれだけの想いを込められるか」が、物が溢れた現代で満たされるための鍵になります。
五色の歴史に倣って、選ぶ色一つ一つの歴史や想いに思いを馳せてみてください。