和“色”~四季が織り成す美しき日本の伝統~前編

皆さまは「日本の色」というと、どんな色を思い浮かべるでしょうか。
「やっぱり桜の色は日本の伝統を感じるなあ」
「秋の夕焼けの色を見ると日本の風情を感じる」
こんなイメージをお持ちの方も多いのでは。

古来から日本人は景色や自然に想いを馳せてきた歴史があります。そして、日本には四季があり、その景色や自然は移ろいゆくものです。
その移ろいの中に自然の儚さ、そして美しさを見出しました。日本の美意識は無常、つまり「いつまでもあるとは限らない、だからこそ美しい」という感性に基づいています。

日本の伝統色は植物や生物、染料を表現したものが多く見られます。そこからも人工の煌びやかな色よりも、自然本来の色が美しいという感性が見て取れますね。
例えば世界文化遺産ともなった姫路城は別名白鷺城とも呼ばれるほど、「白」の美しさで有名なお城です。姫路城の白さは外壁に塗られた漆喰によるもので、自然の素材がそのまま「白」として表れています。
あの白がまさしく「真っ白」であったなら、私たちの心を掴むことはなかったかもしれません。
「この白は自然素材の白である!」なんて知らなくても、自然の色は私たちの美意識に直接訴えてくるものです。
だからこそ姫路城は世界遺産として残り、愛され続けているのです。

日本人の私たちは日本の伝統色、すなわち「和色」に理屈抜きで心を揺さぶられます。
後編ではこの和色にはどんな色があるのかをお話ししようと思います。